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業界研究
就活コラム
2015年8月30日

【医薬品業界研究】医薬品業界の職種編

医薬品業界という「森」を遠くから眺めるだけでは、業界の理解は深まりません。医薬品業界を構成するそれぞれの「木」を一つ一つ見ていくことでこそ、業界理解を深めていきましょう。

今回は医薬品業界の職種編となります。


◆研究者は"いちばん"をめざすキーマン

白衣に身を包んで、試験管をふり、電子顕微鏡をのぞく。そんなイメージに代表される研究開発者は、この業界の代表的な仕事だ。

研究者が、バイオテクノロジーなどの最新技術を使って新しい商品を作り出すことは、会社の存亡にかかわる大仕事である。とはいえ、彼らの仕事は長期的な展望のなかでスケジュールを組まれており、それでも、研究者の意図したものに必ずなるとは限らない。

さらに、同じような研究を続けている競争者は業界内にとどまらず公的研究機関、大学、そのうえ海外にまで及ぶ。となると研究者は、会社の期待を一身に背負い、つねに時間と品質において「いちばん」をめざすのが宿命。

一見、外界と隔絶されたマイペース型の職場環境を連想しがちだが、最終的には利潤追求が使命の企業にあって、世界を相手どる厳しい競争下にあることは予想にかたくないだろう。そこで、おのずと医薬品業界では研究開発費の割合が高くなる。

たとえば大手4社の2012年3月期の平均開発費は、1兆9543億円。売上高に占める割合は15?20%前後を占めている。主力薬が特許切れを迎える「2010年問題」を受け、大型新薬の開発を急いできたためだ。新薬の開発は最終段階で多くの患者に新薬候補品を投与する必要があり、費用が膨らみやすい。 最大市場の米国では近年、新薬の安全性を重視する姿勢が強まり、多くの症例数を求めていることもあって、開発費は伸びざるを得ない状況にある。

新薬開発のおおよそのスケジュールは、まず内外の研究論文や文献など最新情報を頼りに独自のテーマを設定することからスタート。テーマに即して物質の創製を行い、スクリーニングテストで分類。特許申請の後、安全性を確認して臨床実験する一方、厚生労働省に製造許可を申請する。許可が下りたら、薬価基準に収載して発売となる。これで500億円。順調にいった場合だ。

ちなみに製薬会社が興味をもっている新薬開発は、3大死因のガン、動脈硬化症、心疾患。そして、長期使用が期待できる糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病。また高齢化でさらに増加する見込みの認知症にも力を注いでいる。


◆品質と信頼を守る生産部門

医薬品の生産部門は、ほかの製造業の生産工場に比べれば小規模だ。多品種少量生産が特徴である業界であるうえに、扱う単位がミリグラムなのだから当然といえば当然のこと。生産セクションに従事している技術者は数こそ少ないが、それだけ高度な技術が要求されるということでもある。

医薬品各社では国の定めるGMP(製造および品質に関する基準)のほかに、生産工場に独自の社内基準を設けている企業も多く、生産管理、製造工程の品質管理、従業員への注意などが徹底して行われている。品質第一は各社に共通する最重要のモットーだが、生産セクションは単に商品を作るだけでなく、研究セクションと絶えずコンタクトを取りながら新しいアイデアをもって生産管理と品質管理を行わなくてはならない立場にある。

最近では、コンピュータ化によって工場での作業が高度化するのに伴い、大卒社員を工場の基幹要員として採用する動きも出てきたが、生産セクションには大きな権限と責任が託されている。人工知能やファジー工学などの活用が活発になってきたため、生産セクションの専門化はさらに進んでいくだろう。

世界市場を相手どっている大手製薬メーカーのなかには、アメリカのFDA(食品医薬品局)など、欧米の基準をクリアする努力を重ねている企業も多い。


◆世界の最前線で力を発揮する海外拠点

医薬品業界では、制約が厳しい日本の市場から飛び立って、海外に拠点を設け、あるいは海外企業と提携してより大きな成功を収めようとしている企業が多い。

海外進出の目的は、優れた技術や研究を習得するため、新たな市場を獲得するため、低コストの生産拠点を確保するため……とさまざまで、出資比率の高い海外法人を設立、有力研究機関あるいはベンチャー企業と提携、さらには欲しい分野に強い現地企業の買収など、手法も彩り豊かになってきた。

日本企業が海外に進出する最大のメリットは、画期的な新薬をいち早く市場に送り出すことだろう。海外の大手製薬メーカーと比肩する開発力を身につけても、制約が多く、治験の環境が整わない日本では最終的なデータがそろいづらい。

近年はデータの日欧米三極流用の道も開かれたが、逆に日本での治験が減るという現象が起きた。日本で開発するのは時間ロス。海外で開発した新薬を、設備を備えた現地法人で生産し、販売しようというのは当然の選択である。

かくして日本の製薬メーカーは、現地生産・現地販売という本格的な進出を開始した。行く先は世界ナンバーワンの市場を持ち、技術面でも制度面でも最先端を走るアメリカがダントツ。台湾、ドイツ、イギリスなどに進出している企業も多く、近年は、13億人の大市場が眠っている中国への関心が高い。


◆専門情報を提供するMR

営業職は、ほかの業界と同様、新製品を含めて自社商品を卸業者や小売店に売り込むのが仕事である。

とくに定着した消費層がない新商品は、的確な販売戦略のもと、少しでも多くの消費者を獲得するのが使命。研究者の新しい発見も生産者の細心を払った工程も、消費者に受け入れられてこそ結実するものと思えば、営業担当者の仕事は最後のツメといってもいいだろう。

しかし、医薬業界の営業担当者「MR」は違う。

厚生労働省の省令には「医薬情報担当者とは、医薬品の適正な使用に資するため、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う者をいう」と定めている。つまり、MRは商談を行う医薬品卸の営業マン「MS」ではなく、最新医薬情報の媒介者であり、病院や実験室に閉じこもっている研究者にとっては第3のスタッフなのである。

MEDICAL REPRESENTATIVEの略であるMRは、アメリカではかなりステイタスが高い。彼らは、いち企業の社員である以上に、社会的なモラルをもち、研究者同士や研究者と消費者、医薬の世界と一般の世界をつなぐ重要なポストにあるという評価を得ている。

したがってMRは、自社製品に関する安全性や有効性、的確な使用基準などを医師や薬剤師などに伝えると同時に、他社の商品や医薬品業界の進歩について情報をもっていなければならない。そして、医師が的確な治療ができるよう、また研究者が一刻も早く有効な新薬を開発するように、情報活動を行うのである。

MR(医薬情報担当者)が情報をもって飛び交うのは、開業医や大学病院の医師たちの間だ。となれば専門知識を習得するために行う研修は、厳しいものになるというのも予想できるだろう。

養成教育は、入社時研修に始まって社の代表として一定のエリアを任されるまで、各社バラツキはあるものの約1年にわたって続く。かなり専門的になるので、薬学部出身者や薬剤師の国家資格をもっている者もいるが、「出身学部については心配ない」と、養成に絶対の自信をもっている会社もある。

資格制がスタートしてからも文科系出身者が半数を超える企業もあり、女性も数多く進出。期待も大きく成績も良いといわれる。

その傾向は数字の上でも明らかだ。2014年3月末時点で、MR業務に就いている人は6万5752人で、前年比1906人増である。専攻分野別のMR構成比は、文化系が57.3%、理科系が28.1%、薬剤師が12.0%。文化系は前年より増加したが、理科系、薬剤師は減少している。

女性MRは年々増加、2004年は5241人だったが、2013年は9089人とほぼ倍になっている。女性MRの経験年数別では5年未満、5?10年、10?20年、20年以上とすべての年代で増加傾向にあり、女性の定着がみてとれる。

MRの56.4%が内資製薬企業に属し、36.6%が外資製薬企業、6.0%がCSOに、1.0%が卸に所属している。前年比較ではCSO企業で23.2%の増加が目立つ。MR数でみると内資製薬企業よりも外資製薬企業の方が積極的に雇用している。2014年に大きな新薬が上市予定で、これを見越した企業が積極的にMRを採用したと考えられる。CSO企業と卸企業の増加が顕著で、今後が注目される。


◆MRの新しい営業スタイル

MRの仕事は、医師と会うことから始まる。新しい医療情報を提供するからといって簡単にアポがとれるほど、医師は時間に余裕があるわけではない。平日のお昼、あるいは夕方、都心の大学病院で患者とは到底思えないスーツ姿の人を見かけたことはないだろうか。

それも医師の部屋近くの廊下に何人もたむろしている。目当ての医師を見つけると我先に近寄り、話しかける。話す時間は少ないし、空振りに終わることもある。そこで、夜や休日に接待しつつ、コネクションをつくることが常態化していた。

ところが過剰接待が問題化し、企業のコンプライアンス意識が徹底した社会背景が製薬業界を変えることになった。製薬業界は医師との適切な関係を定めたガイドラインを作成、医師との会食に5000円までと上限を設け、ゴルフ接待を禁じた。

女性MRが増加してきたのは、本来の業務に専念できる環境が整ってきたことも大きな要因といえるだろう。

それならば、どのようにして医師と接触を図るのか。各社とも、頭を悩ませている現状だ。そのなかで、注目されているのがインターネットを使った情報提供。そのシステムを開発したエムスリーが業績を伸ばしている。ウェブ「MR君」は、登録した医師がサイトを訪れると、製薬会社ごとに新薬を説明する動画を閲覧できる。

無料なので登録者数は、国内の医師の7割以上、約23万人が登録。製薬会社は28社がサービスを利用している。

武田薬品工業は2012年5月からMR君サービスを導入。加えてエムスリーと共同開発した「てのひらMR君」を事業展開に役立てている。これは担当の医師が見た動画をタブレット端末で確認できるのだ。そのうえで、医師にウェブ上でアポイントを依頼するメッセージを送る。ネットを効率的、効果的な使った営業戦略である。


◆治験から販売まで~薬剤師が活躍する場所

医師が患者の処方箋を書き、その処方箋に基づき薬剤師が調剤する「医薬分業」の進展によって、近年、薬剤師不足は医療現場の課題であった。

日本で医薬分業が本格化したのは、1974年の診察報酬改定によって院外処方箋発行が始まった頃からだが、その後徐々に広まり2013年度の院外での処方せん受け取り率は、全国平均で67.0%と過去最高だったことが、日本薬剤師会(日薬)の取りまとめ結果で分かった。伸び率は前年度に比べて0.9ポイント上昇。ただ、過去5年間で伸び率は1ポイント以上で推移しており、受け取り率の伸びは、やや落ち着いてきている。

このような背景を受けて、調剤薬局も次々と開局。現在、全国に約5万5000店ある。薬局では、薬剤師ひとりが1日で受付できる処方箋は40枚(例外もある)と定められているため、処方箋を多く受け付ける薬局では、それだけ薬剤師を配置しなければならない。さらに、薬事法の改正で薬の販売ができるようになったドラッグストアにも薬剤師が必要となっている。薬剤師のニーズは確実に高まっている。

ただし、2009年から大衆薬の販売が薬剤師以外の新資格者(登録販売者)に解禁された。薬剤師不足を緩和するかどうかは不透明だが、薬剤師がいる薬局といない薬局は棲み分けされるはずだ。

薬剤師の働く場所は病院・医院、メーカー(製薬・化粧品・食品)、薬局・ドラッグストアなど幅広い。勤務するところによって、仕事も変わる。

【製薬メーカー】
薬剤の専門家の知識を生かしてMRで活躍する人が多い。薬剤師はMR認定試験6科目のうち、3科目(疾病と治験、薬理学、薬剤学)が免除される。また臨床開発の現場でも活躍。各社、研究開発体制を強化するなか、治験の担当者として採用されるケースが多い。

【調剤薬局】
医師が処方した薬剤を患者に渡す仕事。分かりやすく薬剤に関する情報(薬効や副作用や飲み方など)を説明し、飲み方などを指導する。また、医師の処方した薬剤に疑問を感じたときには、医師に問い合わせ確認する。

【ドラッグストア】
OTC販売がメイン。来店者の質問疑問に答え、正しい使用方法を伝える。患者の症状や体質を聞き取り、症状緩和のための薬剤を提案する。


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