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特集
就活コラム
2015年7月21日

えっ? 自ら上場廃止する会社があるの?【就活に役立つ会計知識】Vol.25

就活に会計知識はどの程度必要なのか?

この問いの答えは、就職活動というものの捉え方によって変わってきます。就活を志望企業に入社するための選考対策という狭義で捉えるならば、会計の知識はほとんど必要ないでしょう。

ですが、就活をビジネスパーソンとして活躍するための準備という広義で捉えるならば、知ってほしい、知っておくべき会計の知識はたくさんあります。そして、その会計知識は、結果的に狭義の就活でも役立てることができます。

三択問題のクイズ形式で、分かる、使える、【就活に役立つ会計知識】。

それではどうぞ。

都会の街並みと青空

※画面を一気にスクロールしてしまうと回答が見えてしまいます。どうかご注意ください。


問題

多くの企業が目指す目標となっている「上場」ですが、世の中には、上場していながらも自ら上場廃止を進める会社も存在します。さて、ここで問題です。

自ら上場廃止を進める会社は、どうしてそんなことをするのでしょうか?適切な解答を以下の選択肢の中から選んでください。

<選択肢>
1:資金調達をする予定がないのであれば上場しているメリットがないため
2:創業者が上場をしてもう満足したため
3:敵対的買収リスクを低減させるとともに、長期的な視点で経営を行いたいため


解答

正解:3

<解説>
上場企業の中には、自ら上場廃止を選ぶ会社があります。具体的には、MBO(マネジメント・バイアウト)という手法を用いて、経営陣が会社の株式を買い取ることで、上場廃止を行います。

わが国でも、2,000年以降、MBOによる上場廃止を進める会社が増加している傾向にあり、主なものとして、ポッカ・ワールド・すかいらーく・レックスホールディングス・幻冬舎・コンビ・ホリプロ・エイブル&パートナーズなど有名企業の多くが、自ら上場廃止を選んでいます。

自ら上場を廃止するのは、以下のような理由によります。

1. 敵対的買収のリスクを排除するため
上場をしている場合、日々、株式市場で株式が売買されているため、望まない相手から大量に株式を購入された結果として、会社の支配権を奪われてしまう「敵対的買収」のリスクを抱えています。そのため、敵対的買収のリスクをなくしたい、一族による会社支配を長期的に継続させたいなどの理由により、自ら上場廃止を選ぶことがあります。

2. 長期的な視点での経営を可能にするため
上場をしているということは、多くの株主が存在することになります。その中には外国人投資家や機関投資家など、短期的なリターンを重視する人もいます。つまり、短期的な利益拡大のための要求をしてくる株主が存在しているということです。

また、上場している場合には、四半期(3か月)ごとに財務諸表を開示することが求められるので、経営者自身としても、長期的な視点よりも短期的な業績を優先させようとする力が働きやすくなってしまう傾向が強くなります。そのため、様々な株主の要求に影響されないようにしたり、長期的な視点を重視して経営するために、自ら上場廃止を選ぶ会社もあります。

3. 上場を維持するためのコストを節約できる
上場を維持する場合、情報を公開するための体制を維持するために、様々なコストが発生しています。また、上場することで社会的な責任も増大しているため、コンプライアンスや内部統制に関する規制も強くなります。そのため、上場廃止のメリットとしては、上場を維持するためのコストを節約すること、コンプライアンスや内部統制を緩やかにすることなどもあります。


上記の理由が、MBO(マネジメント・バイアウト)により上場廃止を選択する主な理由ですが、上場を廃止することにより、新規で資金調達がしづらくなる、会社の社会的な知名度が低下しやすくなるなどのデメリットも生じることになります。

よって、一般的には、今後、多額の資金調達を必要とせずに長期的な視点を重視した経営を実施したい、敵対的買収のリスクを下げたい、というメリットが大きい企業が、上場廃止を検討することになるのです。

ここ数年間の平均でも、毎年数十社がMBOなどにより、上場廃止を実施しているのは少しびっくりしたかもしれませんが、それだけ上場を廃止するメリットもあるということを示していると思います。


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作者プロフィール

国見 健介(くにみ けんすけ)氏のプロフィール写真
国見 健介(くにみ けんすけ)氏
東京CPA会計学院 理事/監査法人クラリティ パートナー/一般社団法人次世代戦略会議 代表理事

1999年公認会計士試験合格、2001年慶應義塾大学経済学部卒業。日本の教育をより良いものにするために公認会計士を目指す大学生の育成に尽力。人生のビジョンは「社会を担う志の高い若者に貢献すること!」、著書に「公認会計士の「お仕事」と「正体」がよーくわかる本 」(秀和システム)。

■学校法人東京CPA会計学院について
公認会計士の資格支援スクールとして日本で最初にできた歴史ある学校です。質の高い教材と講義により、公認会計士試験の大学在学中合格率46.6%(2014年度実績)を達成するなど、大学生を中心に高い支持を得ています。

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