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特集
就活コラム
2015年6月1日

無借金経営は良いことなのか?【就活に役立つ会計知識】Vol.18

就活に会計知識はどの程度必要なのか?

この問いの答えは、就職活動というものの捉え方によって変わってきます。就活を志望企業に入社するための選考対策という狭義で捉えるならば、会計の知識はほとんど必要ないでしょう。

ですが、就活をビジネスパーソンとして活躍するための準備という広義で捉えるならば、知ってほしい、知っておくべき会計の知識はたくさんあります。そして、その会計知識は、結果的に狭義の就活でも役立てることができます。

三択問題のクイズ形式で、分かる、使える、【就活に役立つ会計知識】。

それではどうぞ。

工場

※画面を一気にスクロールしてしまうと回答が見えてしまいます。どうかご注意ください。


問題

会社説明会では「当社は○○が強みです」というアピールを見聞きすることがありますが、そのアピールが、「え、それってどういうこと?」と意味を解釈できないことがたまにありますが、さて、ここで問題です。

「当社は無借金経営が強みです」というアピールに関して、実際はどうなのか?その説明として適切な回答を、以下の選択肢の中から選んでください。

<選択肢>
1:無借金経営は、財務基盤の安定性という意味でとてもメリットがあり、企業はできる限り無借金経営を目指すべきである
2:企業の収益性の向上や規模拡大を図るためには、借入金などの有利子負債を利用することのメリットも大きい
3:トヨタ自動車やソフトバンクなど優良企業は、無借金経営を目指している


解答

正解:2

<解説>
我々日本人の感覚としては、借金は悪いものというイメージが先行しており、無借金経営と聞くと「優良企業なんだな」「安心できそうだな」という感覚を抱く方も多いと思います。

しかし、日本を代表するトヨタ自動車やソフトバンクという企業は、無借金経営を実践していません。実際に、トヨタ自動車は、平成26年3月現在で16兆3,000億円、ソフトバンクも、平成26年3月現在で9兆1,000億円の借入金をしています。

また、無借金経営とは、借入金などの有利子負債がないことを指す言葉ですが、実質無借金経営という言葉と混同されることも多いです。この実質無借金経営とは、現預金や短期保有の有価証券の金額が、借入金などの有利子負債よりも多い企業を意味しており、返そうと思えばいつでも借金を全額返済できる状態の企業を言います。

2013年現在、半数以上の上場企業は実質無借金経営と言われていますが、まったく有利子負債などの借金をしていない上場企業は、ごく一部に限られています。

では、実際に無借金経営のメリットとデメリットについて説明していきたいと思います。まず、無借金経営のメリットについてみていきましょう。

1. 財務基盤が安定しているため、一般的に倒産リスクが低い
借入金は、いつかは返済しなくてはいけないので、全額自己資金で賄っている方が、資金繰りが苦しくなる可能性は低いと考えられます。そのため、一般的に無借金経営の方が財政基盤は安定しており、倒産リスクは低いと言われます。

2. 経営環境が悪化した場合に自己資本の方がリスクが低い
借入金を行っている場合には、売上の減少が生じると、無借金経営と比較して、簡単に資金繰りが悪化する可能性があります。たとえば、個人でも、住宅ローンの返済がある中で収入が減ってしまうと資金繰りが厳しくなりますが、借金が一切なければ、節約すれば乗り越えやすいのと同じ状況と言えます。

また、新規事業に投資を行う場合にも、自己資金であれば投資が失敗しても大きなリスクにはなりませんが、借金で行う場合には、借金だけが残ってしまうので、資金繰りが厳しくなるリスクが高まります。そのため、経営環境が悪化した場合や、新規投資をする場合には、安全性の観点からは無借金経営の方がいいと言われます。

3. 借り入れを必要とした場合に、借入を実施できる
金融機関からの借入は、売上規模・利益規模・資産規模などに応じて、一定の限界があります。そのため、現時点で借入をしていないほうが、必要な時に借入をできる枠が残っているとも言えるので、その面からも経営リスクは低いと言えます。

4. 金融機関の意向に左右されなくてよい
また、銀行から多額の借入金を行っている場合には、銀行が急に借金の回収に動き出したりする可能性もゼロではありません。そのため、経営を行う上で、金融機関の意向などを無視できなくなります。そのため、無借金経営では、経営の自由度が高まるというメリットもあります。


このように、無借金経営には様々なメリットもあるのですが、デメリットはどうでしょうか。

1. 必要な投資を実施できないリスク
経営学の理論上は、有利子負債は会社が成長するためには必要という考え方が一般的です。それは、財務レバレッジ効果という概念で説明されます。たとえば、100億円投資をして、毎年10%(10億円)の利益を稼げる投資機会があったとします。この場合に、手元に資金がない場合には、投資を諦めるという選択肢のほかに、借入金をして投資をするという選択肢があります。

仮に、2%の利率で借入金をできるのであれば、100億円借金をして、2億円の支払利息を払っても、8億円利益が増加することになります。このように、投資からもたらされる利益率>有利子負債の利率の状況では、借入金をして投資を行った方が、会社の利益は最大化されるのです。

しかし、万が一、実際の投資をした結果、投資から損失が3億円生じた場合には、利息と合わせて5億円の損失が生じることになります。つまり、財務レバレッジ効果は、より少ない資本で多くの利益を獲得する手段にもなりますが、経営リスクを高める側面も有しています。

2. 有望な投資機会が存在していないというリスク
無借金経営の会社は通常、多くの手元資金を保有しています。これは財務基盤が安定している反面、お金を遊ばせてしまっているため、経営としては望ましくないという側面があります。

余剰資金を定期預金や国債などで運用しても、利回りは1~2%程度なので、株主としては、もっと利益率が高い事業を開拓し、そこに資金を投資し利益を拡大してほしいと願っています。そのため、無借金経営の状態は、手元資金の投資先や、借入金の利率以上に利益を獲得できる投資機会を経営者が作り出せていないという側面も否定できません。

3. 金融機関との信頼関係を構築しづらいリスク
先ほど(メリット3)の「借入金をしていないから、今後借入をしやすい」という話と若干矛盾しますが、継続的に借入を行い、返済をするという関係を構築しておくことで、金融機関との信頼関係が強化されるというメリットがあります。

普段取引をしていない金融機関は、会社が「M&Aをするために資金が必要」「新しい投資案件があるので早急に借入をしたい」という場合に、機動的に対応してくれないことも多いので、普段からある程度金融機関と取引をし、いざというときにスムーズに資金提供を受けられる関係を構築しておくことも重要です。


上記のような結果、無借金経営のメリットである財務的安全性を害しない範囲では、適度に借入金を行い、その利率以上の利益を獲得できる事業を育て続けることこそが、企業が安定的に、かつ、長期的に成長していくために重要です。

だからこそ、トヨタ自動車やソフトバンクなどの企業は、借金をしないことよりも、将来の成長分野への投資や、企業の競争力を高めるために、資金を調達し、投資を行うという選択を取っているのです。

もちろん、無借金でそのような投資をすべて賄えるのが理想かもしれませんが、現実問題それは難しいので、多くの上場企業が借入金などの有利子負債を利用しているのです。

そのため、無借金経営だから無条件で優良企業というわけではないし、トヨタもソフトバンクも無借金経営を目指してもいません。逆に、無借金経営が悪いわけでもなく、優良企業でも無借金経営を貫いている会社もあります。そのため、企業が目指すべき未来に対して、必要な対策を取っているのかどうかという視点が最も重要であり、盲目的に無借金経営=優良企業というわけではないと認識してもらえればと思います。


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作者プロフィール

国見 健介(くにみ けんすけ)氏のプロフィール写真
国見 健介(くにみ けんすけ)氏
東京CPA会計学院 理事/監査法人クラリティ パートナー/一般社団法人次世代戦略会議 代表理事

1999年公認会計士試験合格、2001年慶應義塾大学経済学部卒業。日本の教育をより良いものにするために公認会計士を目指す大学生の育成に尽力。人生のビジョンは「社会を担う志の高い若者に貢献すること!」、著書に「公認会計士の「お仕事」と「正体」がよーくわかる本 」(秀和システム)。

■学校法人東京CPA会計学院について
公認会計士の資格支援スクールとして日本で最初にできた歴史ある学校です。質の高い教材と講義により、公認会計士試験の大学在学中合格率46.6%(2014年度実績)を達成するなど、大学生を中心に高い支持を得ています。

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