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特集
就活コラム
2015年3月3日

今すぐ手に入る10億円と10年後に手に入る15億円。どっちが有利?【就活に役立つ会計知識】Vol.2

就活に会計知識はどの程度必要なのか?

この問いの答えは、就職活動というものの捉え方によって変わってきます。就活を志望企業に入社するための選考対策という狭義で捉えるならば、会計の知識はほとんど必要ないでしょう。

ですが、就活をビジネスパーソンとして活躍するための準備という広義で捉えるならば、知ってほしい、知っておくべき会計の知識はたくさんあります。そして、その会計知識は、結果的に狭義の就活でも役立てることができます。

三択問題のクイズ形式で、分かる、使える、【就活に役立つ会計知識】。

それではどうぞ。

お金

※画面を一気にスクロールしてしまうと回答が見えてしまいます。どうかご注意ください。


問題

「今すぐ10億円手に入るプロジェクトA」と「10年後に15億円手に入るプロジェクトB」はどちらが有利でしょうか?

<選択肢>
1:15億円の方が金額が大きいため、プロジェクトBの方が有利である
2:今すぐ10億円もらえる方がうれしいため、プロジェクトAが有利である。
3:市場の金利が4.15%未満であるのであれば、10年後に15億円手に入るプロジェクトBの方が有利である。


解答

正解:3

<解説>
ビジネスの世界で金銭的な価値を判断する場合には、時間価値という概念を加味することが求められます。

この時間価値とは、簡単に言うと金利を加味するということになります。

たとえば、今銀行に貯金した場合に、利率が年に10%もらえる状況であったとしましょう。すると、現時点で100万円を貯金した場合には、1年後には100万円×1.1=110万円になります。さらに、2年後には、110万円×1.1=121万円になります。

このように、お金は時間の経過とともに何もしなくても金利分価値が増加することになり、現在の100万円と2年後の121万円は同じ価値ということになります。

そのため、ビジネスの世界でどちらのプロジェクトが有利か不利かを判断する場合には、それぞれのプロジェクトから手に入る金銭的価値を、現在の価値に直し比較することが求められます。

つまり、「今すぐ10億円手に入るプロジェクトA」と「10年後に15億円手に入るプロジェクトB」のどちらが有利かを判断するためには、10年後の15億円を現在の価値に直し、比較することが必要になるのです。

(この場合の金利の価値を加味する際に用いる利率のことを割引率と言います)

実際に、金利(割引率)が1%の場合、4%の場合、10%の場合で検討してみます。

金利が1%の場合
プロジェクトBの現在の価値は、15億円÷1.01^10≒13.58億円になり、プロジェクトAの現在の価値である10億円よりも価値が高いため、プロジェクトBの方が有利になります。

これは、10年後の価値で比較しても同じです。プロジェクトAの10年後の価値は、10億円×1.01^10≒11.05億円となり、プロジェクトBの10年後の価値である15億円の方が高いため、プロジェクトBの方が有利になります。

金利が4%の場合
プロジェクトBの現在の価値は、15億円÷1.04^10≒10.13億円であり、プロジェクトAの現在の価値である10億円よりも価値が高いため、プロジェクトBの方が有利になります。

10年後の価値でも比較してみましょう。プロジェクトAの10年後の価値は、10億円×1.04^10≒14.80億円となり、プロジェクトBの10年後の価値である15億円の方が高いため、プロジェクトBの方が有利になります。

金利が10%の場合
プロジェクトBの現在の価値は、15億円÷1.10^10≒5.78億円であり、プロジェクトAの現在の価値である10億円の方が高くなるため、プロジェクトAの方が有利になります。

もちろん、10年後の価値で比較しても同じことが言えます。プロジェクトAの10年後の価値は、10億円×1.10^10≒25.94億円になります。プロジェクトBの10年後の価値である15億円の方が低いため、プロジェクトAの方が有利になります。

このように検討を進めていくと「プロジェクトAの現在の価値」と「プロジェクトBの現在の価値」が等しくなる利率が約4.15%ということが分かってきます。つまり、利率が4.15%未満の場合には、プロジェクトBの方が有利となるのです。

このように、時の経過に伴う金銭的価値の増加を加味する考え方が、時間価値を考慮するということです。

10年でもこれだけの多くの差が出ますので、20年・50年というスパンではとても大きな差が生じます。たとえば、今の10億円を金利5%で、50年貯金すると、10億円×1.05^50≒573億円にもなります。時間価値の影響の大きさがわかりますね。

これは、ビジネスの話だけではなく、我々ひとり一人に有限に与えられている時間というものの大切さを意味しています。今日という一日をどう過ごしたのかで、一日ではその違いは感じないかもしれませんが、その積み重ねでとても大きな差が生まれてしまいます。

今、実力が1とした場合に、毎日1%成長する人は、10年後に、まったく成長しない人と比べてどれぐらいの差が出るのでしょうか?

1×1.01^3650を計算してみてください。

是非、皆さんには、もっとも有限な資源である時間の重要性を実感していただき、一日一日を大切に過ごしてもらいたいと思っています。


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作者プロフィール

国見 健介(くにみ けんすけ)氏のプロフィール写真
国見 健介(くにみ けんすけ)氏
東京CPA会計学院 理事/監査法人クラリティ パートナー/一般社団法人次世代戦略会議 代表理事

1999年公認会計士試験合格、2001年慶應義塾大学経済学部卒業。日本の教育をより良いものにするために公認会計士を目指す大学生の育成に尽力。人生のビジョンは「社会を担う志の高い若者に貢献すること!」、著書に「公認会計士の「お仕事」と「正体」がよーくわかる本 」(秀和システム)。

■学校法人東京CPA会計学院について
公認会計士の資格支援スクールとして日本で最初にできた歴史ある学校です。質の高い教材と講義により、公認会計士試験の大学在学中合格率46.6%(2014年度実績)を達成するなど、大学生を中心に高い支持を得ています。

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